トラブル対処
事務所のホームページが改ざん・乗っ取りにあった時の対応|初動から顧問先への案内まで
事務所のホームページを開いたら、見覚えのない外国語のページが表示された。顧問先から「先生のサイトを開いたら、別のページに飛ばされた」と連絡があった。事務所名で検索すると、知らない商品の宣伝文が並んでいる。こうした状態は、ホームページが改ざんされたり、乗っ取られたりしているおそれがあります。守秘義務のある事務所としては、相談フォームの内容が漏れていないかも気になるところです。この記事では、落ち着いて進めるための手順をお伝えします。
改ざん・乗っ取りが疑われるサイン
ホームページの改ざんは、見た目にはっきり分かる場合もあれば、事務所の人が見ても気づかない場合もあります。次のようなサインがあれば、疑ってみてください。
- トップページや料金表が、見覚えのない文章や画像に書き換わっている
- スマートフォンで開いたときだけ、別のサイトに飛ばされる
- 事務所名で検索すると、知らない商品やサービスの宣伝文が検索結果に出る
- ブラウザや検索結果に「危険なサイト」という警告が出る
- WordPressの管理画面に、知らない管理者のアカウントが増えている
- 相談フォームから、身に覚えのない自動返信メールが大量に送られている
検索結果に警告が出ている場合の対処はGoogleで「危険なサイト」と警告が出た時の対処でも詳しく説明しています。
最初の1日でやること
改ざんに気づいたら、慌ててファイルを消したり、自分で直そうとしたりする前に、次の順番で進めてください。原因を調べるための手がかりを残しておくことが、あとの対応を楽にします。
- 画面の記録を残すおかしな表示の画面を、パソコンとスマートフォンで写真やスクリーンショットに残します。いつ、誰が、どこで気づいたかもメモします。
- 制作会社・保守の担当に連絡する記録を添えて、改ざんの疑いがあることを伝えます。サーバー会社にも連絡し、サーバー側で異常が見つかっていないか確かめてもらいます。
- 相談フォームを止める相談フォームの内容が外に送られている可能性も否定できないため、原因が分かるまでフォームの受付を止め、電話やメールでの連絡を案内します。
- 管理画面とサーバーのパスワードを変えるWordPressの管理画面、サーバー、事務所のメールなど、関係するパスワードを変更します。知らないアカウントがあれば、制作会社と相談して削除します。
- 必要ならホームページを一時的に閉じる訪れた人が別のサイトに飛ばされる状態なら、制作会社と相談のうえ、メンテナンス中の表示に切り替えて被害の広がりを防ぎます。
自分で原因を探そうとして、管理画面の中で設定を次々に変えたり、怪しいファイルを消したりすると、どこから入り込まれたのかが分からなくなることがあります。気持ちは焦りますが、最初の1日は「記録を残す」「専門家に連絡する」「被害を広げない」の3つに集中してください。原因の調査と修復は、専門家に任せるほうが結果として早く終わります。
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相談フォームや顧問先の情報が漏れていないか
改ざんの対応で、士業事務所が特に気にかけたいのが、相談フォームの内容や、顧問先向けページに置いていた資料が見られていないか、という点です。制作会社には、次のことを確かめてもらいましょう。
| 確かめること | なぜ大事か |
|---|---|
| フォームの送信内容の控えがサーバーに残っていたか | 残っていた場合、過去の相談内容が見られたおそれがある |
| フォームの送信先が書き換えられていないか | 相談が外部のアドレスに送られていたおそれがある |
| 顧問先向けの資料やアップロードされたファイルがあったか | 給与資料や申請書類などが持ち出されたおそれがある |
| いつから改ざんされていたか | 影響を受けた相談者や顧問先の範囲を見積もるため |
個人情報が漏れたおそれがある場合は、個人情報保護委員会への報告や本人への通知が必要になることがあります。心身の状態にかかわる情報などの要配慮個人情報であれば、件数に関係なく報告と本人への通知が必要とされています。それ以外の個人情報も、件数や内容によって必要になります。詳しくは個人情報保護委員会の案内をご確認ください。所属会への連絡が必要かどうかも、あわせて所属会にご確認ください。
顧問先・相談者の方へのお知らせ
ホームページの改ざんは、顧問先や相談者の方にも影響が及ぶことがあります。状況が分かってきた段階で、正直に、落ち着いた言葉でお知らせすることが信頼を保つことにつながります。
- 何が起きたか(ホームページが第三者に書き換えられたこと)
- いつからいつまでか、分かっている範囲で
- 事務所が取った対応(フォームの停止、パスワードの変更、調査の依頼など)
- 相談者や顧問先にお願いしたいこと(不審なメールを開かない、など)
- 問い合わせ先(事務所の電話番号)
分からないことは「調査中」と書く
原因や影響の範囲がまだ分からない段階では、推測で書かず「現在調査中です。分かり次第お知らせします」と書きましょう。あとから訂正するより、誠実に受け止めてもらえます。
お知らせは、ホームページが復旧していればお知らせ欄に、まだ閉じている場合は、顧問先へのメールや郵送、電話など、事務所が普段使っている連絡手段で伝えます。顧問先の担当者が社内で説明しやすいよう、短く要点をまとめておくと親切です。
復旧したあとに見直すこと
ホームページが元に戻ったら、同じことを繰り返さないための見直しをします。改ざんは、古い土台(PHP)や部品の弱点、推測しやすいパスワードなどがきっかけになることが多いものです。
- PHPやWordPress本体、追加部品を修正版に更新したか
- 管理画面に二段階の確認を設定したか
- 使っていない部品や古いアカウントを整理したか
- ホームページ一式の控えを定期的に取る仕組みがあるか
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改ざんされたページを自分で消してもよいですか?
消してしまうと、原因を調べる手がかりがなくなることがあります。まず画面の記録を残し、制作会社やサーバー会社に相談してから対応してください。
ホームページを作り直さないといけませんか?
多くの場合は、改ざんされた部分の修復と、土台や部品の更新、パスワードの変更などで元に戻せます。作り直しが必要かどうかは、調査の結果を見て判断すれば十分です。
相談フォームの内容が漏れたかどうか、どうやって分かりますか?
ホームページの見た目だけでは判断できません。フォームの控えの有無、送信先の書き換えの有無、改ざんの期間などを制作会社に調べてもらい、その結果をもとに判断します。
顧問先へのお知らせは、原因が分かってからでよいですか?
顧問先に不審なメールが届くなど影響が出ているおそれがある場合は、原因が分かる前でも、分かっている範囲で早めにお知らせすることをおすすめします。
この記事は、税理士・社労士・行政書士事務所のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。

