更新・保守
士業事務所のWordPressとPHPの更新は誰がする?任せきりにしない確認の仕方
管理画面に入るたびに「更新があります」という表示が出ている。気になってはいるものの、押してよいのか分からず、そのままにしている。事務所のホームページについて、こうしたお話をよく伺います。WordPressで作られたホームページは、作ったあとも定期的な更新が欠かせません。この記事では、WordPress・プラグイン・PHPのそれぞれを誰が更新しているのかを確かめる方法と、任せきりにしないための確認の仕方をお伝えします。
ホームページは3つの層で動いている
WordPressで作ったホームページは、建物にたとえると3つの層でできています。一番下の土台がPHP(サーバー側で動くプログラム)、その上に建つ建物がWordPress、さらに建物の中の設備にあたるのがプラグイン(お問い合わせフォームや予約などの追加の部品)です。
どの層にも、弱点が見つかれば修正版が出ます。そして、どれか一つでも古いままだと、そこが入り口になってしまうおそれがあります。建物をきれいに保っていても、土台が傷んでいれば安心できないのと同じです。
| 層 | 役割 | 更新を担うことが多い人 |
|---|---|---|
| PHP | サーバーの上でホームページを動かす土台 | サーバーの契約者(多くは管理画面で版を選ぶ) |
| WordPress | ページやお知らせを作る仕組み | 制作会社・保守会社、または事務所 |
| プラグイン | 相談フォームなどの追加の部品 | 制作会社・保守会社、または事務所 |
2026年10月のPHPの注意喚起で分かったこと
2026年10月20日、PHPの開発チームが深刻な弱点2件(深刻度9.2/10段階)の修正を予告しました。外部からサーバーを操られるおそれがある種類のものです。翌21日にはIPA(情報処理推進機構)が注意喚起を出し、国内で50を超える企業・団体がサイトやサービスを一時停止しました。
このとき大切なのは、弱点がWordPressやプラグインではなく、PHP本体にあったことです。WordPressを新しい版にしていても、PHPが古ければ対象になり得ます。修正版はPHP 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35で、PHP 8.1以前はサポートが終わっているため公式の修正版がありません。
「WordPressは更新している」だけでは足りないことがある
制作会社から「WordPressの更新はしています」と聞いていても、PHPの版の切り替えまでしているとは限りません。多くのレンタルサーバーでは、PHPの版は契約者が管理画面で選ぶ仕組みになっているからです。
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誰が更新しているかを確かめる手順
まずは、今の状態を知るところから始めましょう。難しい作業は要りません。事務員さんにお願いしても進められる内容です。
- 契約書と請求書を確かめる制作会社・保守会社との契約に「WordPressの更新」「プラグインの更新」「PHPの版の切り替え」が書かれているかを見ます。
- サーバーの契約者を確かめるレンタルサーバーの契約が事務所名義か制作会社名義かを確認します。名義によって、PHPの版を切り替えられる人が変わります。
- 担当者に3つの質問をする「WordPressとプラグインは月に何回更新していますか」「今のPHPの版はいくつですか」「PHPの切り替えは契約に含まれますか」と聞きます。
- 答えを記録しておく日付と答えをメモしておくと、担当者が変わったときや、次に注意喚起が出たときに役立ちます。
PHPの版の確かめ方は、レンタルサーバーの管理画面にある「PHPの設定」や「PHPバージョン」の項目で分かることが多いです。サーバーの名義が制作会社の場合は、事務所からは見えないので、担当者に聞いてください。
担当者に質問するときは、責めるような聞き方にしないことも大切です。「最近PHPの注意喚起が出ていたので、うちの状況を確認させてください」と伝えれば、多くの担当者は快く答えてくれます。答えが「分からない」「確認します」だった場合も、それ自体が分かったことの一つです。返事の期限を決めて、改めて確認しましょう。
事務所で更新ボタンを押してよいか迷ったら
管理画面の「更新」ボタンは、押せば数分で終わります。ただ、プラグインの組み合わせによっては、更新のあとに相談フォームが動かなくなったり、表示が崩れたりすることがあります。特に相談フォームは、事務所にとって新しい相談の入り口です。気づかないうちに届かなくなっていると、機会を逃してしまいます。
また、管理画面に入れる人が多い事務所ほど、「誰かが押してくれるだろう」「誰かが押してしまった」が起きやすくなります。更新ボタンを押してよい人を一人に決めておく、制作会社に任せている場合は事務所の誰も押さない、と決めておくだけでも混乱は減ります。
- 契約で制作会社が更新を担っている場合は、事務所では押さずに任せる
- 事務所で更新する場合は、先にバックアップを取ってから行う
- 更新のあとに、相談フォームから自分宛てにテスト送信して届くか確かめる
- PHPの版の切り替えは、WordPressやプラグインが対応しているかを確かめてから行う
バックアップの考え方は事務所ホームページのバックアップ、何をどこに残すかで、自分で更新するか外に頼むかの判断は事務員が自分で更新するか、外に頼むかで詳しくまとめています。
任せきりにせず、見守りだけは手元に置く
更新の作業そのものは、制作会社や保守会社に任せてかまいません。大切なのは、任せたことが実際に行われているかを、事務所の側でも確かめられることです。相談者の方の個人情報を扱う事務所として、ホームページの土台が古いままになっていないかは、知っておきたいところです。
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WordPressの更新通知が出たら、すぐに押すべきですか?
契約で制作会社が更新を担っている場合は、事務所では押さずに任せるのが安心です。事務所で更新する場合は、先にバックアップを取り、更新後に相談フォームが届くかを確かめてください。
PHPの版はどこで確認できますか?
多くのレンタルサーバーでは、管理画面の「PHPの設定」や「PHPバージョン」の項目で確認できます。サーバーが制作会社名義の場合は事務所から見えないので、担当者にお尋ねください。
PHPを新しい版にすると、ホームページが壊れませんか?
WordPressやプラグイン、テーマ(デザインのひな形)が新しい版に対応していないと、表示が崩れることがあります。切り替えの前に対応状況を確かめ、バックアップを取ってから行うのが一般的な進め方です。
PHP 8.1を使っています。どうすればよいですか?
PHP 8.1以前はサポートが終わっており、公式の修正版が出ません。サーバーの契約者が管理画面で新しい版に切り替えることを検討してください。切り替えの前に、制作会社に対応状況を確認すると安心です。
制作会社と連絡がつかない場合はどうすればよいですか?
まずはサーバーとドメインの名義を確かめてください。事務所名義であれば、別の会社に更新を頼むこともできます。名義が分からない場合も含めて、HPドクターの相談窓口でご相談いただけます。
この記事は、税理士・社労士・行政書士事務所のホームページの見守りと相談を担当する「HPドクター」編集部がまとめました。

